1986年にハレー彗星が接近した際、日本、アメリカ、ヨーロッパ、ソ連は探査機を打ち上げ、ハレー彗星を宇宙から観測しました。中でもヨーロッパが打ち上げた探査機ジオットは、ハレー彗星に6500kmまで接近し、その核を観測することに成功しました。
ハレー彗星の核は長さが約16km、幅が約8kmで、ピーナッツのような形をしていました。太陽の光を受けて表面からはげしくガスとちりのジェットを噴きだしていましたが、表面の約90%は炭素分に富む黒褐色の物質でおおわれ、ジェットを噴きだしている領域は全体の10%ほどでした。黒褐色の物質は太陽光のわずか4%しか反射しません。何度も太陽に接近しているうちに、その表面に黒褐色の物質がたまったものと考えられます。
ジオットが撮影した写真から、ハレー彗星の表面には高さが500mほどの山や、深さが100mにも達するクレーターなどがあることも明らかになりました。また、ハレー彗星は7.4日で自転していました。
2001年にはアメリカの探査機ディープスペース1が、ボレリー彗星に接近しました。ボレリー彗星の核は長さ8km、幅4kmほどで、その形はボーリングのピンに似ています。ハレー彗星と同じように表面は暗く、太陽の光の4%ほどしか反射していませんでした。その表面には山や谷、なめらかな平原などの地形が確認されました。
また、1999年に打ち上げられたアメリカの探査機スターダストは、2004年1月にヴィルト2彗星に236kmまで接近し、彗星の近接撮影を行うとともに、ちりのサンプルを採集しました。このサンプルを入れたカプセルは、2006年1月に地球に帰還の予定です。ヴィルト2の核はハレー彗星やボレリー彗星にくらべて球形に近く、表面にはいくつものくぼみがあります。サイズは5.5×4.0×3.3kmで、まさにダーティー・スノーボールといった姿をしていました。
ジオット探査機が撮影したハレー彗星の核です。太陽は左上の方向にあります。太陽の光を受けた部分から、はげしいジェットが噴出しています。
(写真:ESA)
ディープスペース1が撮影したボレリー彗星の核
(写真:NASA)
スターダストが撮影したヴィルト2彗星の核
(写真:NASA)
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