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害虫抵抗性の遺伝子組換え農作物には、害虫の防除に効果を発揮する Btタンパク質を作る遺伝子が組み込まれています。そのため、害虫抵抗性農作物を栽培することによって、目的とする害虫以外の昆虫の生態に影響を与えないか、事前に確認が行われています。
アワノメイガという鱗翅目(りんしもく)の害虫防除を目的に開発された遺伝子組換えトウモロコシには、鱗翅目の昆虫の全般に対して作用する Btタンパク質が含まれています。このトウモロコシを食べたアワノメイガは、Btタンパク質によって消化管が破壊され、餓死してしまうのです。
しかし、この Btタンパク質は目的とするアワノメイガ以外に、鱗翅目に属するチョウやガに対しても、同様な効果を発揮します。そこで、花粉中に含まれる Btタンパクの量や花粉が飛ぶ時期などを調べ、ほかの昆虫への影響を確認します。絶滅危惧種のチョウなどの生態系への影響も事前に調べられます。これらのチョウの生息地域は湿地帯が多く、トウモロコシの栽培に適した土地とは異なることや、トウモロコシの栽培時期と、幼虫の生育時期が重ならないことなどから、特に影響はないと考えられています。
Btタンパク質について
土壌中に生息するBt菌(バチルス・チューリンゲンシス Bacillus thuringiensis)という微生物には、害虫防除の効果があることが以前から知られていました。Bt菌の産生するBtタンパク質には、昆虫の消化管を破壊する作用があり、Btタンパク質を食べた害虫は餓死してしまうからです。
鱗翅目(りんしもく、チョウやガなど)に効果があるものや、鞘翅目(しょうしもく、甲虫類)に効果があるものなど、様々なBt菌が発見されていて、それぞれ特定の種類の昆虫を防除できます。加えてBtタンパク質は、ヒト、ウシ、ブタなどの哺乳類や、鳥類などの生物には影響を及ぼさないことから、微生物農薬として使用されてきました。
そこでBtタンパク質を産生させる遺伝子を農作物に導入したものが、害虫抵抗性の遺伝子組換え農作物です。植物体内でBtタンパク質が産生されるため、害虫による被害を抑えることができます。
現在、アワノメイガ(鱗翅目)の防除効果があるトウモロコシや、コロラドハムシ(鞘翅目)の被害を受けないジャガイモなどが開発されています。
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